商売で忙しい時期を表す「かきいれどき」を漢字で書くと書き入れ時となります。それは、商人が品物を売ったら帳簿に書き入れる商習慣からきています。

そして、わざわざ取引の記録をつけるのは、後日、経営分析をするためではありません。昔はキャッシュフロー経営なので、現金取引であれば面倒な記録はしなかった筈です。

では、その帳簿とは何かと言うと、時代劇にも出てくる大福帳の事ですが、これは実は売掛台帳なのです。

すなわち、売買の約束は成立したけど、現金はまだ受け取っていない状態を記録する帳簿ということです。

普段は、お金の遣り取りをせずに買い物をして、半期毎に半年分の買い物の支払をするという商習慣、つまりクレジット社会だったのです。

現代こそ、ショッピングをしたら、その場で現金を払うのが常識のようになっていますが、その習慣はここ数十年程度であり、クレジットでショッピングをすることこそ、歴史的には常識だったのですね。